放射線科
放射線科では、X線を使用した一般撮影・CT検査はもちろん、X線被曝のないMRI検査も行っています。
検査画像は、デジタルで保存され、検査後すぐに各診療科の高性能モニターで確認することができます。
検査の他に、CT・MRI検査画像を用いて、3次元処理や心臓血管解析、認知症診断支援ソフト処理を行い、循環器専門医による心臓検査や脳神経内科専門医による認知症診断をサポートしています。
画像診断では、放射線診断専門医と連携をとり、カンファレンスやダブルチェックを行う体制を整え、病気の早期発見に努めています。
また、地域の先生方に、当院のMRI装置、CT装置を利用していただけるように、検査の紹介を、お受けしております。
装置のご利用については、地域連携室にお問い合わせください。
安全な検査の実施
画像診断に必要な放射線量は少量で、被曝による障害が起こる心配はありません。
当院では、被ばく低減システムを搭載したCT装置、透視装置を使用しています。
また、検査を担当する診療放射線技師は、最小限の検査範囲の設定や鉛防護で、患者様の被曝低減をこころがけています。
放射線科設備
- 一般撮影装置
- 回診用移動型X線装置
- X線透視装置
- 外科用移動型X線透視装置
- 骨密度測定装置
- 80列MDCT装置
- 1.5TMRI装置
- PACS(画像情報管理システム)
- 画像処理用ワークステーション
「診療内容/医療設備」もご覧ください。
MRI検査のご案内
MRI検査は病気の早期発見に大変役に立ちます。
造影剤を使わなくても全身の血管をみることができます。
装置の特徴
撮影音を90%カットした、静かなMRI装置です。
従来の装置より開口径が10㎝以上広く、圧迫感が少なくなりました。
三大成人病 心臓病の早期発見
心臓の3次元画像
心臓の動きや血管の狭窄を立体的に見ることで、心臓病の初期段階を診断することができます。
治療を早く始めれば、心臓発作の予防につながります。心臓MRI検査は、実施している病院が少ないのが現状です。
当院では、循環器専門医による精度の高い診断を行っています。
三大成人病 脳卒中の早期発見
脳の断面画像
脳の状態変化が詳細にわかりますので、脳卒中の予防につながります。脳MRI検査は脳梗塞や脳出血、脳腫瘍の診断に大変有用です。
当院では、脳神経外科専門医、脳神経内科専門医による精度の高い診断を行っています。
三大成人病 癌の早期発見
全身の腫瘍を見つける補助診断にも利用されています。PET検査のように放射性薬品を使う必要はありません。
腫瘍の描出PET用画像
認知症の早期発見
脳の萎縮度合いを数値化することで、初期段階の認知症を発見することができます。
当院は、もの忘れ外来を行っています。脳神経内科専門医による丁寧な診察と精度の高いMRI検査で認知症診断とそれに基づく最適な治療を行っています。
整形外科疾患の早期発見
X線画像では診断できない腱や靭帯の異常、神経への圧迫の有無も診断できます。
当院では、放射線科、画像診断専門医による診断もあわせて行っています。
MRI検査の領域別検査紹介は、MRI検査のご案内パンフレット(PDF)、または続きをごらんください。
MRI検査 領域別紹介
頭部領域のMRI
頭部領域では以前よりMRIが使われていて、得られる情報は一番多いといわれています。
当院のMRIは、高速撮像法に対応していますので、CTではわからない急性期脳梗塞を診断することができます。また、脳出血や脳腫瘍の診断にも有用です。認知症の診断やタイプの判別(アルツハイマー病か否か)にも、威力を発揮します。

頭部

脳動脈3次元画像
【検査対象】
脳実質、脳血管、下垂体、眼窩、内耳、顎関節、頸部血管、咽頭、甲状腺など
【代表的な疾患】
脳血管障害(脳梗塞、脳内出血、奇形)、脳腫瘍、認知症、感染症・炎症、脱髄・変性疾患など
血管領域のMRI
当院のMRI装置は、腹部や下肢の血管を、造影剤を使わなくても描出することができます。

鎖骨下動脈

腎動脈

下肢動脈
【検査対象】
胸腹部大動脈、下肢動脈、下肢静脈など
【代表的な疾患】
大動脈瘤、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症、深部静脈血栓症、下肢静脈瘤など
整形領域のMRI
脊椎・脊髄領域
MRIでは、造影剤を用いなくても、脊髄・椎間板・骨髄の評価をすることができます。

頸椎

腰椎
【検査対象】
頸椎、胸椎、腰椎など
【代表的な疾患】
脊椎の変性疾患(椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症)、脊髄の変性疾患(多発性硬化症)、外傷、脊髄炎、先天奇形、腫瘍、脊髄の血管障害など
四肢関節領域
関節の診断ではMRIは有用な検査です。膝関節や肩関節だけでなく靭帯や腱、軟部組織の描出に優れています。他の検査では、得ることのできない情報がわかります。

膝関節

肩関節
【検査対象】
膝関節、肩関節、股関節、肘関節、手関節、指関節、足関節、四肢筋肉など
【代表的な疾患】
半月板損傷、靭帯損傷、腱板断裂、脱臼、骨転移、軟骨肉腫、大腿骨頭壊死、変形性股関節症、炎症、軟部腫瘍など
腹部領域のMRI
腹部MRI検査は、腹部臓器(肝臓・膵臓・腎臓・脾臓・胆嚢など)の腫瘍・結石や骨盤内臓器(子宮・卵巣・膀胱・前立腺など)の腫瘍の発見・診断に役立ちます。特にMRCPは、内視鏡で行う逆行性胆管膵管造影と違いほぼ苦痛がない検査です。

腹部

MRCP(MR胆管膵管撮像 経口造影剤あり)
【検査対象】
腹部臓器、骨盤内臓器など
【代表的な疾患】
腫瘍、結石など
1.5TMRIと80列MDCTによる心臓検査のご案内
1.5TMRIと80列MDCTによる心臓検査は、心臓病の早期発見に役立ちます。
心臓MRI・CTで診断できる心疾患
- 虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)
- 心筋症(拡張型心筋症、肥大型心筋症など)
- 弁膜症(大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症など)
- 心臓腫瘍・心筋炎・先天性心疾患など
冠動脈形態の評価・心機能の評価
- 心臓カテーテル検査と比較すると入院する必要もなく、血管内にカテーテルを挿入することによる身体への負担もありません。心臓3D画像を作成することで心臓の形状、血管走行などがわかります。

心臓3次元画像(造影なしMRI)

心臓3次元画像(造影ありCT)
- 血管解析ソフトにより、狭窄度の評価ができます。

血管解析画像(造影ありCT)

血管解析画像(造影ありCT)
- 心機能解析ソフトにより壁運動・駆出率などの心機能評価が可能です。

心臓断面像(造影なしMRI)
心臓MRI検査でできること(X線被曝なし)
冠動脈形態の評価(造影剤なし): | X線被曝なし、造影剤なしで冠動脈の狭窄病変を診断 |
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心機能の評価(造影剤なし): | 壁運動・駆出率の表示 |
心臓CT検査でできること(X線被曝あり)
冠動脈形態の評価(造影剤あり): | 冠動脈の狭窄病変を診断、造影剤使用必要だが、検査時間が短く、画像が鮮明 |
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心機能の評価(造影剤あり): | 壁運動・駆出率の表示 |
プラークの性状評価(造影剤あり): | 動脈硬化の重症度診断 |
冠動脈石灰化の評価(造影剤なし): | 石灰化病変の分布と程度の表示 |
腎機能が低下している患者様、検診目的の患者様、虚血性心疾患の危険因子がない患者様は、造影剤を使わないMRI検査が適しています。
また、虚血性心疾患の危険因子があり、腎機能低下がない患者様には、心筋梗塞をひきおこす危険性が高い破綻しやすい不安定プラークを発見するためにも心臓造影CT検査をお勧めしています。
胸部の痛み不快感を訴えられる患者様、心電図で心筋虚血疑いの患者様は、ぜひ心臓MRI・CT検査をご検討ください。